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🦉 月刊GO ASIA TRAIL 2025.10号 / Vietnam Mountain Marathon 特集

GO ASIA TRAIL 編集部です。

法人移管に伴い、日本国内およびアジア地域のトレイルランニングに関連するニュースを集約してまとめるコンテンツも提供していきます。基本的には、毎月上旬ごろに前月の情報を振り返る形でお届けしていきたいと思います。今月は、移管後の対応となるため、本日発信させていただきます。

2025年9月のトレイルランニングに関する主なニュースと情報を、日本国内、アジア地域、ギア(シューズ、ザック、ウェア、サプリメント)のカテゴリ別にまとめました。

情報は信頼できるウェブソースとX(旧Twitter)の投稿から抽出。9月は世界選手権や地域レースの開催が多く、ギアの新リリースも活発でした。状況は変化する可能性があるので、詳細は各ソースを確認してください。

日本国内のニュース

  • レースイベントの開催と結果: 9月13-15日に「SHINETSU FIVE MOUNTAINS TRAIL 2025 100MILE/110KM」が開催され、国内外のランナーが参加。外国人ランナーも日本在住・国外からエントリー可能で、信越地域の山岳コースが注目を集めた。 また、「OSJ ONTAKE50/100」では、30代男子ショート部門で岩本照氏が2位入賞するなど、活発なレース結果が報告された。 「Hakuba International Classic 2025」(28km)はSalomon Golden Trail National Seriesの一環で、レース後に温泉でリラックスできる点が人気。 「Flash Trail Challenge Autumn 2025」は神戸で開催され、70%パス、15%トラック、15%道路の地形が特徴。
  • 世界選手権関連: 9月25-28日にスペイン・カンフランクで開催された「World Mountain & Trail Running Championships 2025」に日本代表12選手が出場。上田瑠偉選手と田村健人選手が注目され、開会式のライブ配信も行われた。 日本トレイルランニング協会が情報を発信。
  • その他の活動: 「トレイルランナーズカップ津南2025 in 無印良品キャンプ場」が9月28日に93名参加で開催され、レポートとYouTube総集編が公開。次回はアルプスあづみの公園大会。 古峰ヶ原高原トレイルランでは雨天の中、参加者応援の様子がXで共有された。 また、Redditで9-10月のレース情報が議論され、旅行者向けの10kやハーフマラソン、トレイルランが話題に。

アジア地域のニュース

  • レースイベントの開催と結果: 「Vietnam Mountain Marathon 2025 presented by Kailas FUGA」が開催され、900名近い参加者で盛り上がり、2026年には1000名突破の見込み。World Trail Majorsシリーズの一環で、好天の下で耐久力が試された。 「Malaysia Ultra-Trail by UTMB」の「MALAYSIA25」では、タイピン湖庭園を通るコースが特徴。 Asia Trail Masterシリーズの最新ニュースでは、イベントの成長が報告。 「Asia Trail Girls intermediate run」が9月に開催され、女性ランナーの参加が活発。
  • 世界選手権関連: ネパールのSunmaya Budha選手がスペインの世界選手権82kmで2位入賞。怪我を克服した活躍がアジア地域で話題に。
  • その他の活動: Ahotuで9月のアジアレースリストが公開され、ウルトラマラソンも含む多様なイベントが紹介。 オーストラリアのダンズボローでアジア太平洋トレイルラン選手権が予定され、ヨーロッパ大会と連動。

ギアの最新情報(シューズ、ザック、ウェア、サプリメント)

  • シューズ: 2025年のベストトレイルシューズとして、Salomon Sense Ride 5、Hoka Speedgoat 6、La Sportiva Bushido III、Altra Lone Peak 9が推奨。高いクッション性とグリップが評価。 新リリースでは、Adidas Terrex Agravic Speed Ultra 2 Prototype(UTMBで披露)、VEZOR(険しい地形向け)、361 Taroko 5(ロード-to-トレイルハイブリッド)が登場。 The North FaceのVECTIV Enduris 4とAltamesa 500は耐久性が高くレビュー好評。 女性向けOfftrail Hike Mid GORE-TEXも防水性で注目。
  • ウェア: Hike x The North Faceの「TNFH」ラストシーズンで、GORE-TEXジャケットと厚底スニーカー(トレイル特化)が発売。防水・通気性が高い。 Goldwinの「Puffy」Inflatable Air Jacket(UTMB新ギア)がユニークで、インフレータブルデザインが話題。 TIGORA by BEAMS DESIGNの2025 AUTUMNコレクションでは、トレーニングシリーズのスムーストラックジャケット(6,999円)がおしゃれで機能的。 INOV8のトレイルウェアも高性能で推奨。
  • サプリメント: DM三井製糖グループがエナジージェル「WARABEAT!!(ワラビート)」を新発売。フレーバーは黒糖わらび風とゆずわらび風。発売日は2025年10月1日。オンラインは9月12日先行。価格は1個377円、容量60g、カロリーは104kcal/101kcal。

Vietnam Mountain Marathon (VMM) の詳細深堀り

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Vietnam Mountain Marathon | Vietnam Trail Series by Topas

Vietnam Mountain Marathon (VMM) は、ベトナム北部サパ地域を舞台にしたトレイルランニングイベントで、アジアを代表するレースの一つです。以下で歴史、コース、2025年の開催情報、結果、参加方法などを詳しくまとめます。

歴史と背景

VMMは2013年にスタートしたベトナム最古の山岳レースで、国内初のウルトラマラソンとしても知られています。

主催はTopas社によるVietnam Trail Seriesで、トレイルランニングの普及と地域コミュニティ支援を目的としています。これまでにUSD 520,000以上を寄付し、学校建設や子供支援(Blue Dragon Children’s Foundation、Operation Smile、Newborns Vietnamなど)に充てられています。

2025年からはWorld Trail Majors(世界12の著名レースの非営利連盟)に加盟し、国際的な地位を高めています。参加者は毎年4000人以上、50カ国から集まり、アジアのトレイルシーンを象徴するイベントです。 スポンサーは2025年からKailasに変更(以前はSalomon)。

コースの特徴

サパの壮大な山岳地帯を舞台に、竹林、棚田谷、少数民族の村落を横断するコースが魅力です。標高差が大きく、景色が多様なため「夢のようなステージ」と評されます。 すべての距離のフィニッシュはTopas Ecolodgeで、プロの無料写真サービスあり。

  • 10km: 世界で最もハードな10kmの一つ。山岳入門向けだが、急坂多め。
  • 21km: ハーフマラソン相当。谷、村、森、高山を巡り、絶景が楽しめる。
  • 50km: 経験者向け。未踏のエリアを探索、標高差2800m+。
  • 70km: クラシックウルトラ。多様な地形と景色が特徴。
  • 100km: 極めて挑戦的。全地形をカバー、夜間走行含む。

コースは米テラス畑や緑の峰が広がり、雨天時の川渡りもハイライト。


2025年の開催情報
  • 日程: 2025年9月19-20日(金-土)。
  • 場所: サパ(ハノイから北西300km)。黄金の棚田シーズンで最高の景色。
  • 参加者数: 約900人以上が見込まれ、2026年には1000人突破の勢い。 国際ランナー多めで、47カ国から参加。
  • 登録: 公式サイト(vietnammountainmarathon.com)でエントリー。詳細はサイトを確認(早期割引あり)。ITRA認定レースで、UTMBポイント対象。
2025年の結果とハイライト

2025年は好天の下で開催され、中国ランナーが活躍。中国選手が男子・女子の複数カテゴリで優勝。 主な結果(抜粋):

距離 男子優勝 タイム 女子優勝 タイム
50km Yang Jianjian 🇨🇳 4:53:38 Xiang Fuzhao 🇨🇳 5:41:10
70km Vàng A Tung 🇻🇳 9:10:58 Lưu Hồng Vân 🇻🇳 11:52:42
100km Ngô Văn Chính 🇻🇳 13:00:10 Wenfei Xie 🇨🇳 17:24:33

ベトナム選手も上位入賞(例: Nguyễn Thị Trà Giang 2位 in 100km)。ハイライトビデオが公開され、情熱的なレースシーンが話題。 日本人ランナーも参加し、スポンサー変更がXで議論。

参加のポイントとアドバイス
  • 対象: 初心者(10km)から上級者(100km)まで。事前トレーニング必須、特に急坂と湿気対策。
  • 魅力: 文化的体験(少数民族村落)と絶景。フィニッシュ後のエコロッジ滞在がリラックスポイント。
  • 注意: ハノイからアクセスしやすく、ビザやCOVID規制を確認。ギアは防水シューズ(例: Kailas推奨)とハイドレーションパックを。
  • 次回: 2026年も同規模予定。興味があれば公式サイトで登録を。

編集部からのコメント

先月開催されたベトナムマウンテンマラソンを、SNSやYouTubeの動画で見て感じたのは、非常にエネルギッシュな大会だということでした。なぜだろうと考えてみたとき、感じたのは「若さ」です。参加するランナーはもちろん、ボランティアスタッフもみんな若く、20代、30代が中心。ベトナムの平均年齢は33歳で、対する日本は49.9歳です。

今の日本のトレイルランニングレースを見ていただくとわかると思うのですが、やはり平均年齢と、参加するランナーやボランティアスタッフの平均年齢には相関関係があるのかなと感じました。

国・地域名 中央値(歳)
日本 49.9
香港 47.2
韓国 44.9
台湾 42.5
タイ 40.8
中国 40.2
北朝鮮 36.0
ベトナム 33.3
インドネシア 31.1
モンゴル 28.5
フィリピン 25.7
東ティモール 21.4

また、これはベトナムに限った話ではありませんが、アジアは日本に比べて映像やプロモーションビデオに対する情熱が強く、エネルギッシュな動画を作っている印象を受けました。今回のベトナムマウンテンマラソンでも、特にその印象を持ちました。私自身、来年はぜひ参加したいと思います。スケジュールを組んで、しっかりレポートできるようにしたいので、お楽しみに。

ご参考までに2025年の Vietnam Mountain Marathon を走られた日本人の「ハチマキのランチャン」さんの動画が上がっておりましたので共有しておきます。