加賀スパ by UTMB が閉幕してから約2週間が経過しようとしています。
X や Threads などの SNS では、7/2 に大会運営側からアンケートが送信されたそうなのですが、質問の中に、今回初開催なのに「本レースに参加したのは何回目でしょうか?」や、5分程度で終わるアンケートと記載されているのに、実際はそれ以上かかるボリュームだったとか、ここでも OSJ クオリティを発揮してくれました。レース後も話題が尽きない・・・
日本のトレラン専門メディア
さて、私がもう一つ不思議に感じているのは、今回の加賀スパの運営問題に関して国内メディアが一切報じていないことです。
新聞やテレビ局といった大手メディアは、大きな事故が無い限り報じることはないとは思うのだが、レースが終わって2週間経過しようとしてるのに、日本国内のトレイルランニングを専門とするメディアが一切報じていないのは違和感を感じています。トレイルランニング専門メディアとして認知されているのは、以下の2つです。
両者ともに2008~2009年頃から運営が開始されたトレイルランニング専門のメディアで、この頃は日本でトレイルランニングが認知され始めた頃です。私もこの頃からトレイルランニングをやり始めている古参です。トレイルランニングを日頃からされている方はご覧になっているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。DogsorCaravan は国内外のトレイルランニングレース情報、リザルトからスポンサーからの商品提供によるレビュー(いわゆる案件)などが中心。また、後者のTrailRunner.JP はどちらかというとレース情報よりもギアレビューが中心で、特にシューズやトレイルザック、サプリメントといったトレイルランナーがきになる商品紹介が中心といったところだろうか。
規模でいうと、DogsorCaravan が大きく、記事の数もカテゴリーの幅広さも日本最大といっても過言ではないでしょう。特に大会関係者やエリートランナーとのコネクションも強く、特にエリートランナーとの対談動画は他のサイトではできないキラーコンテンツといえるでしょう。
なぜ加賀スパの運営問題について言及しないのか・・・
私自身は、他のメディアが今回の問題についてどういった見解をもっているのかを知りたいという立場です。長年、日本のトレイルランニング業界で老舗のメディアとして活躍している立場で、期待されていた日本初の by UTMB が、海外ランナー中心に酷評の嵐だったわけです。
私は、いくらOSJが運営していたとはいえ、日本人として加賀スパの運営問題を発端に、日本のトレイルレースの評判が落ちてしまうのではないかと心配しています。また、経済的視点でみると、今回のような運営問題で話題になっている(炎上している)ときにこそ、記事や動画をあげることでアクセス数や再生数は伸ばせます。記事や動画をあげるモチベーションはあると思うんですよね。
DogsorCaravan は、エリートランナーのリザルトのみ掲載
加賀スパ by UTMB に関しては、本日時点においても、大会結果のリザルトのみが掲載されています。これは、DogsorCaravan によく見られる記事で、特に大きな大会ですと、順位やタイムといったリザルトを掲載しています。
ただ、加賀スパ by UTMB に関しては、日本初の by UTMB レースということもあり、レース開催前から何度も情報発信をされていました。特に、OSJ の代表である滝川氏との対談動画もあるぐらいで、力の入れようが素晴らしいです(私もこの動画は、当時見させていただきました)
この動画の中では、今回問題となった「エイドのクオリティ」について、視聴者から質問があり、滝川氏は「クオリティは2~3倍、間違いなく変わる!」と回答していましたが、結果は皆さんご承知のとおりです。

そして、今回の加賀スパの運営の問題に関しては、Dogsorcaravan や Trailrunner.jp ともに一切言及をしていない。また、レースを DNF した人の救済策として、来年の加賀スパもしくは今年9月に開催される Malaysia Ultra-Trail by UTMB のいずれかのレースを無料招待という、どちかかというとポジティブな話題に関しても、報じていない。腫れ物に触るような感じで、一切報じていないのは残念です。
パワースポーツは、DogsorCaravan にとって貴重な顧客(スポンサー)
DogsorCaravan に限らず、メディアの収入源のメインは広告です。広告があってこそ、人件費からサーバー費を賄えるので、一切否定するつもりもないし、むしろそのマーケットの活性化に役立つものと考えております。
ただ、今回の運営問題について指摘や、メディアとしての改善案の提示などが積極的にできなかったのは、こういう構造になっているのもあるだろうと思います。例えば以下の記事です。
チャレンジャーパワーリキッドというのは、パワースポーツの開発商品。これらの記事は、いずれも「Sponsored」と書かれているため、パワースポーツ側から広告費をもらって宣伝している形になっています。
つまり、DogsorCaravan にとってはお客様という構造になっています。そのため、顧客である OSJ や 加賀スパ by UTMB が不利になるようなことはやりづらい、もしくはできないのではと考えられます。
パワースポーツ と DogsorCaravan は、今回の運営問題に関しての対談動画を上げた方が良い
これに尽きると思う。OSJ時代を知っているランナーにとっては、これは日常茶飯事なのかもしれないが、by UTMB 化で今回初めて OSJ が運営するレースを走った方々は多数いたのではと思います。
SNSや私の周りの意見を集約してみると、良い評判は聞かないし、来年以降参加したいと思う人は少なかった印象です。前回の記事でも書きましたが、OSJ が UTMB が求めるクオリティを一切満たしてなかった事自体が、ランナーとの約束を破ったことになるので、評判はガタ落ちです。
また、海外ランナーから見ると、ひどいレースという印象しか残らなかったでしょう。特に海外からの参加者は、いろんな国のレースを出て走っている人が多いので、今まで走ってきたレースと加賀スパを単純に比較してしまうでしょうね。その結果、日本のトレイルランニングレースの評判をガタ落ちさせてしまった責任は大きいと思う。
まずは、今回の運営問題に関する動画をあげて、ランナーの信頼回復に務めるべきではないかと思います。
https://note.com/goasiatrail/n/nd2fbf83e95d1
追伸
加賀スパ by UTMB の公式HPを2025年7月6日時点で見ると、大会ディレクターの滝川氏からのメッセージが削除されて、以下のようになっていました。これって、大会参加者の人にメール通知されていたんですかね・・・

